2011年9月8日木曜日

8月の体験

皆さま こんにちは。

Shopスタッフ宮原です。

虫の音も賑やかになってきましたね!
たった数日の違いですが、朝晩の涼しさに秋を感じます。


私は先月お休みをいただき、実家の母の所へ行ってきました。
母は、6年前の春に脳卒中で倒れた際、
命はとりとめたものの日常生活は介護を必要としています。

その6年前から毎年、私は子どもの夏休みを利用し介護帰省をしています。
目的は2つ。
*一人で介護をしている父を休ませること。
*私の息子たちに介護を体験させること。

元気だった母を知る息子たちにとっては、当時は相当ショックだったようです。
当初、二人の息子はICUにいる母の、麻痺のある右手右足を
マッサージすることから始まりました。

翌夏には、リハビリに付き添い、
さらに自宅療養に移行した三年目の夏からは、食事の介助・ベッドでの着替え、
といった具合に息子たちができることは毎年増えていきました。

4回の手術を経て、母は回復へ向かいましたが、反面、
後遺症から認知症も見られました。

ですが夏休みのひと月近くの間に、驚くほど症状が変わるのです。
息子たちの名を呼ぶ声に張りがでて、話の内容に繋がりがでてきたり、
何と言っても表情が生き生きとしてくるのです。
子どもの持つ、特有のエネルギーが影響しているのは明らかでした。

息子たちも、一昨年にはトイレの介助がうまくなり、
昨年からは入浴の介助がうまくなりました。
そして今年。今年の夏はこれまでとは違いました。
すっかり食が細くなった母は、以前の半分の体重になっていました。
体重が減ると体は軽くなるので、自分で出来ることが増えたように感じましたが
認知症の程度が進んだのは明らかでした。

この夏、母はたびたび20年前を生きておりました。
記憶も新しいものと古いものが交錯し、そこから会話をします。

息子たちにとっては今までにない新たな体験でした。

こちらが社会一般の常識で話をしても通じません。
母のその話に、息子たちがどう返すのかと見ていると、
長男も次男も一緒になって母のいる世界で会話を楽しんでいました。
子どもながらに「ここは合わせてあげたほうがいいな」と思ったとか。

長男は思春期から青年前期へさしかかっています。
受験目前の夏で、何かと多感な中でのこの夏の体験でした。
この夏は『人』が老いていく様を感じながら、
いろいろ自分の中で考えていたようです。
「赤ちゃんから子ども、そして大人になってさらに年を取って、
だんだんと小さい頃に返っていくんだね。」という感想も。

老若男女問わず、
ただひたすら今この瞬間を一生懸命に生きている人の姿は美しいと思いました。

お読みいただきありがとうございます。