2008年12月5日金曜日

7つ以上の顔を持つアパタイト

寒い日が続く中皆様はご機嫌いかがでしょうか?
そろそろ冬眠に入りたいと思い始めたweb・在庫スタッフの龍澤です。

ここのところアパタイトを見ると、何かを思い出しそうな気がして首を傾げていました。
物それ自体ではなくアパタイトという発音に引っ掛かっているようで、悩むのですが……
一度忘れたものは中々思い出せないもので。
働け!私の脳細胞!
と念じながらどうにかこうにか記憶の沼底をさらってみますと……思い出しました!

数年前知人に「お前はアパタイトみたいだ」と笑いながら言われたのです。

私は当時石を何も知らず、ただその知人は石の好きな人だったので、
漠然と「あぱたいと……石?」と思っただけでした。
その笑いがいかにも意味ありげで、あえて突っ込まずにスルーしていたのでそのまま綺麗さっぱりと忘れてしまっていたのですね。
なんて都合のいい頭なんでしょうと思いつつ、そのまま忘れたことにしておこうかという考えもちらりと過ぎったのですが、まあせっかく思い出したのですし。
ここは一つ縁が“合った”のだなぁと解釈することにしました。

ベルエールに今あるアパタイトは緑と黄色の混ざり合ったような色合いですが、黄緑と言うには違和感が残るタイプのものです。
ライトの下などで見ると入ったクラックや小さなレインボーがきらりきらりと光って、うっとりしてしまう美しさです。
が。
恐らくそんな意味で「似てる」と言われたわけではないでしょうから(その知人はそんなに甘い人ではないのです)、やっぱり調べてみました。
気になることはとことん調べる日本人の本領発揮です。

まず最初はやはりベルエールスタッフのバイブルサイモン&スー・リリー著のクリスタルハンドブック!

クリスタルハンドブックはこちら→クリスタルハンドブック

変化する時期に現れるので、停滞した状況に風を起こしてくれるようです。
オーナー元木曰く、「1000年毎の節目によく取り上げられる石ね」。
そして主成分はリンとカリウムなので人間の歯の骨とほぼ同じ……。びっくりです。
そう言えば数年前歯磨き粉でアパタイトアパタイトと聞いていたような記憶がうっすらと浮上してきました。

更に調べを進めてみると……。実は「アパタイト」と呼ばれるようになったのは1786年からですが、かと言って新しい石、というわけでもないようなのです。
ではアパタイトはその前は名前が無かった……? 
いえいえ、それまでは他の石と間違えられていたのです。
なのでギリシャ語でトリックや策略・騙す・誤魔化す・欺くなどの意味を持つ「apate」に由来しているんだとか。
ほんとか? と思いつつアパタイトの写真を漁ってみれば……確かに。

アクアマリンのようでもあり、アメジストのようでもあります。
フローライトやトルマリンに見えるものもあります。
キャンディやフルーツそっくりな色合いも多く、探せばきっともっと色々あることでしょう。
小さい頃に読んだ江戸川乱歩の怪人二十面相を思い出してしまい(笑)、なるほど、幾つも顔を持っているのは人間と同じなのだなぁと妙に感心してしまいました。
「欺く」「惑わす」の宝石言葉を持っていますが、周囲に惑わされないように自信を持つ為のお手伝いが得意なようです。

ベルエールにいる子達は若草のような黄色を帯びた緑で、透明感があります。
……ぱくっといきたくなるくらい美味しそうです。(いえ、しませんが!)

アパタイトはこちら→アパタイト

閉じ込められるのが嫌いで自由奔放な気質を持つので、空気の流れに触れさせてあげるのと、モース硬度が5と脆くて繊細な一面もあるのには気をつけてあげてくださいね。
そうすれば骨や歯と同じ主成分を持つアパタイトですから、フレンドリーに接してくれることでしょう。

…………こうして調べてみると確かに個性的で面白くて魅力的な石ではあるのですが……
何をもって「似ている」と評されたのかは深く追求しないでおこうと思います♪

いつもありがとうございます。